第六話:ヒーローたちの「癖」

DIARY

お金の問題も徐々に解決し、毎回危ない橋を渡りながらも
なんとかいくつかのダンジョンをクリアしていけるように!

今日も、いつものようにダンジョン探索へ!

仲間の一人、Crusaderがオブジェ(Curio)に勝手に手を出して、金品を見つけた。
ここまでならよくある話。

しかし、次の瞬間、私は目を疑った!!!

奴は「これは自分が見つけたから自分の物」と言って、
なんとその金品をくすねてしまったのだ!!!!!!!!

「お前、何すんねん!」
と思わず方言が出てしまうほど叫んでしまった。

よくよく調べてみるとヒーローたちにはそれぞれ「癖」(Quirks)があるらしい。
この「癖」には良い癖(左側のクリーム色)と悪い癖(右側の赤色)がある。
癖は雇った当初から持っているものや、ダンジョン探索後に取得してしまうことが
あるみたいだ!

そこでこのCrusaderを調べてみると、彼はKleptmaniacという悪い癖を習得していた。
これは、見つけた金品を勝手にくすね取るという、非常にたちの悪い癖である。

理由が分かったものの、どうも釈然としない気持ちは未だに僕の心の中でくすぶっていた。

サナトリウムでその癖を治療してもらえるようなので、
ダンジョンから戻ると早速彼を放り込もうとしたが……

治療費がなんと4000Gという高値。

これは、長く治療されなかったQuirkにドクロマークが付き、定着してしまったからだ。
もし定着前に治療していれば、1000G程度で済んだだろう。

癖は最初から誰しも、良い物、悪い物、最低ひとつは覚えているものだし、
ダンジョン探索を繰り返すと、どんどん増えて行く。

本来ならきれいさっぱり悪い癖は治したいが、治したとしても、
またすぐ、別の悪い癖を覚えてしまうので、致命的だと感じるもの以外は
諦めてそのままにしておいたほうがいい。

そうしないと、いくらお金があっても足りない!!

ところで、サナトリウムに入るのは、ヒーロー達にとって、よほど苦痛なものらしい。
ロスター(ヒーローのリスト)から、しばしばサナトリウムにいるヒーロー達は、苦痛を訴えているからだ。
「ここから出してくれ!」「もっと毛布持ってきて!」「部屋が回転している!」
「分かっている、これが自分の為だ」などなど……。

基本的にはサナトリウムに入っているヒーローには気の毒だと同情する。
ナースさん、もっと彼らにはお手柔らかにお願いいただけませんか。

だが、Kleptmaniacのように大切なお宝を横取りしたような奴には、同情の余地はない。
ナースさん、奴にはもっと手荒く接してもらってかまいません(笑)